「 障害をもつアメリカ人法 」(ADA)
障害をもつアメリカ人法(ADA)
障害をもつアメリカ人法とは?
障害を持つアメリカ人法(しょうがいをもつあめりかじんほう、Americans with Disabilities Act of 1990)は、1990年に制定された連邦公法101-336の略称で、アメリカ障害者法、ADA法とも呼ばれている。
この法律は、障害による差別を禁止する適用範囲の広い公民権法の一つである。1964年の公民権法は、人種、信仰、性別、国籍、民族その他の属性による差別を非合法と規定するものであるが、障害を持つ者に対する差別に関する規定はなかったが、本ADA法の成立により、障害者は1964年の公民権法と同等の差別に対する援護を与えられたものと評価される。
ADA法は大きく分けて、4つの柱からなる。
-
-
第1章 雇用
第2章 公共サービス
第3章 公共施設での取扱い
第4章 電話通信
-
第1章 雇用
ADA法が施行されて以降、すべてのアメリカ人に対してアクセシビリティが保証された、と言えるだろう。現在、ADA法の対象となる人々は 4900万人ともいわれているが、これはアメリカの人口の約19%にも相当する。
さらに同法は、公共性のある施設および商業施設を新たに設計・建設する場合、または既存の施設を改造する場合は、ADAアクセシビリティ・スタンダードに従わなければならないと定めている。
※ 当サイトでは、インデペンデンスボードウォーク・ムーブメントに深く関わるADA第2章と第3章に焦点を絞って、ご紹介していきます。
ADA 第2章 公共サービス
第2章 公共サービス
- 第202項
- いかなる資格のある障害者も、障害を理由に、公共事業体のサービス、事業、活動への参加を拒否されたり、サービスの恩恵を否定されたり、差別を受けたりしてはならない。
(施行機関:司法省、運輸省)
: : 詳 細 : :
州および地方政府のサービス、プログラム、活動において、障害を持つ人々を差別することを禁じている。州および地方政府のすべてのプログラム、サービス、活動がこの規定の対象に含まれる。
具体的には、公教育と社会福祉、州の議会や裁判所、町民会議、警察と消防、運転免許、就労サービス、公共交通機関などが対象となる。
州および地方政府は、あらゆる面において、障害を持つ人々が容易に利用できるようにプログラムを運営しなければならない。州および地方政府は、機会均等を保証するために別途異なる手段が必要でない限り、プログラムやサービスを区別なく提供しなければならない。また、障害をもつ人々が均等にプログラムやサービスを享受することを妨げるような不必要な資格基準や規定を除外しなければならない。
更に、州および地方政府は、政策、慣行、手続きに妥当な変更を施すと共に、過度な負担や財務変化をもたらすことがない限り、障害を持つ人々の機会均等を保証するため、必要に応じて補助手段やサービスを利用し、効果的なコミュニケーション手段を提供しなければならない。
州または地方政府が施設を新たに設計・建設する場合、または既存の施設を改造する場合は、 ADAに基づいて採択された ADAアクセシビリティガイドライン に従わなければならない。
ADA 第3章 公共性のある施設およびサービス
第3章 民間事業体によって運営される公共性のある施設およびサービス
- 第302項
- いかなる個人も公共性のある施設において、商品、サービス、施設、特権、特典、宿泊を十分かつ平等に享受するにあたって、所有者、賃借者(あるいは賃貸者)または施設の管理者によって障害ゆえに差別されてはならない。
-
-
- 公共性のある施設 … 不特定の多数の人が利用する施設で、トレール、公園、遊園地、レストラン、バー、映画館、スタジアム、体育館、ゴルフコース、食品雑貨店、ショッピングセンター、銀行、コインランドリー、病院、弁護士事務所を示す。
-
- 第304項
- いかなる個人も、人々を輸送する事業に主として携わっており、その運行が商業に影響する民間の事業体によって提供される特定の公共交通サービスを十分かつ平等に享受するにあたって、障害ゆえに差別されてはならない。
(施行機関:司法省、運輸省)
: : 詳 細 : :
公共性のある施設や商業施設において、障害を持つ人々を差別することを禁じている。
公共性のある場所とは、トレール、公園、遊園地、レストラン、ホテル、劇場、スタジアム、体育館、会議センター、病院、小売店、博物館、図書館、私立学校、浴場、保育所など、600万を超えるあらゆる規模の民間事業所が含まれる。商業施設とは、オフィスビル、工場、倉庫など、商取引に関連した事業を営む企業である。
公共性のある施設は、機会均等を保証するために別途異なる手段が必要でない限り、区別なく財とサービスを提供しなければならない。また、障害を持つ人々が公共性のある施設の財やサービスを等しく享受する機会を否定するような不必要な資格基準や規定を排除するとともに、提供される財やサービスの性質が根本的に変化しない限り、障害を持つ人々の平等なアクセスを否定するような政策、慣行、手続きに妥当な変更を施さなければならない。
さらに、過度の負担や財務変化をもたらす場合を除き、必要に応じて補助的な支援やサービスを利用して効果的なコミュニケーションを保証しなければならない。また、容易に達成可能である場合は、施設に存在する設計・構造上のコミュニケーションバリアを排除しなければならない。バリアの排除が容易に達成可能でない場合は、代替手段を通じて財やサービスを提供する必要がある。
公共性のある施設もしくは商業施設を新たに設計・建設する場合、または既存の施設を改造する場合は、ADAアクセシビリティ・スタンダード に従わなければならず、建築物はこの基準をクリアしなければなりません。
たとえば、
-
- 車椅子利用に必要な通路幅
- 車椅子にのったまま手の届く範囲
- 風呂場の手すりの取り付け位置と寸法
- エレベーターの開閉スピード
- 階段の手すりの形状
などが、細かく数値で表示されている。
アクセス委員会
アクセス委員会
アクセス委員会(正式名:建築及び交通障壁基準遵守委員会)という連邦機関は、障害をもつアメリカ人法(ADA)および建築における障壁法(ABA)のもとで作られた基準についての、最小限のガイドラインと要項を作成する。
また、電気通信法のもとで通信用機器のアクセシビリティのガイドライン、リハビリテーション法のもとで情報技術へのアクセシビリティの基準を作成する。さらにこれらのガイドラインや基準に沿った技術的な助力を提供し、ABAを施行する。
アクセス委員会は、ほとんどの連邦規制と共通のプロセス、つまり法律に基づいてアクセシビリティの要求事項を策定し、パブリックコメントの機会を提供するというプロセスで作業を行っている。このプロセスは、アクセス委員会がアクセシビリティのガイドラインや基準を策定または更新するために諮問委員会や規制交渉委員会を設立する際の標準方式となっている。
委員会は通常、次のプロセスで規則を策定する。
- 規則の要求事項について勧告を策定する諮問委員会を組織する。諮問委員会を設けることにより、設計者、産業界、障害を持つ人々などを代表する関係団体が委員会のガイドライン策定において重要な役割を果たすことができる(ガイドライン策定後、それに対するパブリックコメントが募集される)
- 諮問委員会の勧告に基づいて規則案を策定し、前文(討議)、図表、注釈を加えて、規制評価書を作成する
- 行政管理予算局(OMB)に規則と評価書を提出し、承認を得る。OBMは90日で審査を完了する
- 規則案を官報で告示し、パブリックコメントを募集する。コメント募集期間は発行日から30〜120日間である。この期間中に公聴会を開催する
- 寄せられたコメントを審査し、必要に応じて規則に変更を加える
- 規則と最終的な規制評価書をOMBに再提出する。OMBは90日間で審査を完了する
- 官報で最終的な規則を告示する
通常、アクセス委員会が「ガイドライン」を作成し、この「ガイドライン」に基づいて他の機関が「標準」を策定する。つまり、アクセス委員会のガイドラインは、強制力のある標準を策定するための最低基準といえる。
1991年7月、アクセス委員会は建築物および施設のアクセシビリティ・ガイドラインを発行し、さらに1991年9月には、交通機関のアクセシビリティ・ガイドラインを発行した。アクセス委員会が作成した多くのガイドラインのうちでも、これら2つの文書はADAアクセシビリティ・ガイドラインと呼ばれている。
アクセス委員会メンバー
障害をもつ子供の親や、障害者組織の弁護士もメンバーにおり、障害者と関係者で過半数となる(視覚障害者3名、聴覚障害者3名、脳性麻痺者1名、車椅子使用者5名を含む)。
-
大統領に指名される公共メンバー 13名
+
各省庁の高官からなる連邦メンバー 12名
合計=25名
<参考資料> http://www.access-board.gov/



前のページへ